ペンギン・ハイウェイを映画館で観てきました(ネタバレあり注意)
ペンギン・ハイウェイを観てきました。
不思議なお姉さんと、大人びた研究大好きなアオヤマ君の物語です。
これはお勧めです。面白かったです。
少年のひと夏の不思議な出来事を鮮やかに描きます。
大人の方が響くかもしれませんね。
いきなり町中に現れたペンギンと、そのペンギンを生み出せるお姉さんの謎をときます。
お姉さんが晴れた日に缶のコーラを投げると、ペンギンになるんです。
どうです、意味が分からないでしょう?(笑)
そんな出来事をお姉さんは平然と受け止め、アオヤマ少年も目を輝かせながらも興奮は抑え気味で、受けとめながら話がそのまま進んでいきます。
この感じが素敵ですよね。ありのままを素直に受け止めるのって難しいです。
声優さんもまったく問題なし。お姉さんの声はとても素敵でした。
アオヤマ君の声も良かったです。
釘宮さんの少年声は自分の中だとハガレンのアル以来です。
やっぱり良い声です。好きですね。
お父さんのアオヤマ君の接し方は憧れます。
決して侮ったりしないで、対等な存在として扱っています。
あんな知的な会話ができる親子っていいですよね。
最後は切なくぎゅっと胸が締め付けられる終わり方でした。
ここからは物語の核心に触れるネタバレになります。
謎のお姉さんは、人間ではありませんでした。
「ウミ」と呼んでいる世界の穴を塞ぐ為の存在だったようです。
でも、生まれてからの記憶も、両親のこともしっかり覚えています。
本人にもその自覚は最後になるまでありませんでした。
最後にお姉さんは、使命を全うして消えてしまいます。
アオヤマ君を抱きしめるときの、胸のあたりが呼吸で膨らんでいるシーンは、まさにお姉さんが生きて存在していることを明確に示しています。
でも、あっけなく、とても自然にお姉さんは消えてしまうのです。
大切なものを失う喪失感が身体に満ちました。
でも希望は残されています。世界の穴の謎を解くことができれば、またお姉さんに会える。
私は「お姉さん」は幼いころの憧れの象徴なのではないかと思いました。
少年のころの憧憬は、決していつになっても消えないのです。
子ども時代を思い出したいとき、ぜひ読んでみて下さい。
劇場で映画をみるのも久しぶりでしたが、行って良かったです。
- 作者: 森見登美彦,くまおり純
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: 文庫
- 購入: 17人 クリック: 459回
- この商品を含むブログ (84件) を見る